梨づくりの1年 

・開花・受粉(4月上中旬)

梨の花は4月上中旬にかけて畑一面、白いじゅうたんのように咲き誇ります。一般的には人の手で人工受粉やミツバチの巣箱を借りてきて受粉作業をしますが、当園ではすべて自然の力で受粉させています。ハチだけでなくハエや小さなコガネムシなど昆虫、そして自然の風が受粉の手助けをしてくれています。近年の気候変動による影響で開花時期も以前と比べだいぶ早くなりました。



・摘果作業(5月)

ひとつの花芽には6~8個の花が集まって咲きます。美味しい梨にするために5~6月の果実が小さいうちに、残す果実を決め1個だけにします。選ばれた1つだけに養分をいかせるためです。下から2番目の実から4番目の実を残すとよい梨がとれると言われています。



・新梢管理(5月~7月)

春から伸び出した若い枝を切り落としたり、引き下げたり、立ち上げたりして、枝と果実の成長のバランスを調節します。5月から7月まで続く、観察力と技術が必要な作業です。これは収穫する梨の実にはもちろんのこと後述する冬の剪定作業の下準備のためにもなります。



・収穫・出荷(8月~10月)

美味しいタイミングを見逃さないよう、収穫は果実の色や形を見ながら毎日行います。収穫後、選果し箱詰め作業になります。当日収穫したものは当日中にお客様の元へと発送されます。



・剪定作業(12月~3月)

冬の間に、古くなった枝や花が咲かない枝を切り落とし、新しい枝と交換します。次の春からの樹の形を1本ずつ想定しながら行う職人技で、梨栽培の中で最も時間のかかる作業です。



この他に、肥料の散布(適時)、病害虫防除のための農薬散布(適時)、草刈り(適時)、落葉処理(12月上旬)、多目的防災網の展張(4月下旬)、接ぎ木(4月上旬)、摘花・摘蕾(4月上旬)、植え替え・新植(12月中旬)等、梨の作業は1年間通してあります。お客様に安全で美味しい梨を提供するために日々努力しております。